「信頼できる業者」はご紹介できません
森板金のTwitter(リンク)などでときどき発信した内容(ツイート)をご覧になって、それこそ全国から「北海道の信頼できる屋根工事業者を教えてください」「私は千葉県に住んでいますが、この業者さんは信用できますか?」などと聞かれることがあります。
結論から申し上げますと「わかりません(すみません!)」と答えるしかありません。
たいへん申し訳ありませんが、営業エリア外の工事業者が信頼できる業者かどうかは、はっきりいって私にはわかりません。
いい加減なことを言うと私たち自身の信頼も失うことになります。
おそらく同業者でも営業エリア外の業者の良し悪しなど見抜けないと思います。それなのに「信頼できる優良業者を紹介します」とアピールする紹介サイトが多いのが個人的には気になります。
屋根板金の技術を見極めるのは難しい
人間も同じですが、付き合ってみて初めてわかることもあります。
我々工事業者も、同じ現場で工事したことがあれば、ある程度の技量もわかります。
屋根板金の技術と一言でいっても、屋根の形状や雨水の流れを読んで金属を加工する技術だけではなく、それらが長持ちするように屋根におさめたり、瓦やスレートなどの裏側などは特にどのような工事をしているか、表面からだけではわかりません。
はっきりいって手抜きをしていても近くで見て触ってみるまで、場合によっては瓦などの屋根材やサイディングをめくってみるまで手抜きを見抜くことは難しいのです。
ほとんどの場合、雨漏りなどの不具合があって初めて気づきます。
ホームページは信用できるか
たとえば、ホームページやチラシにはいくらでもいいことを書くことができます。
仕事が欲しいのはどこも同じですから、「当社に任せると安心です!」「大手有名企業の実績もあります!」「顧客満足度90%!」などと書きたい放題書いているところも多いです(もちろん、私が知るだけでも、それらの中にはウソがたくさんあります)。
「信頼できる工事会社No.1」などという「No.1広告」や、「評判のいい雨漏り修理会社ランキング」など、お金を払って作らせた「不正ランキングサイト」などが問題になっています。
余談ですが、先日そのことをTwitterで発信したところNHKさんからも取材協力依頼がありました。後日「No.1広告問題」としてクローズアップ現代で特集されていました(私へは出演依頼はありませんでしたが……)。
だからこそ大切にしてほしい信頼できる工事会社
雨漏り修理をはじめとする屋根工事の代金は高額であることが多く、それなのに屋根工事会社の質を見抜くことが難しく、技術が足りない業者に依頼してしまうとすぐに雨漏りが再発(再雨漏り)してしまうこともよくあります。
だからこそ、もしあなたが信頼できる工事会社に出会うことができたなら、悪いことは言いませんので、その会社やその従業員さんを大切にしてください。
屋根職人も人間ですので、工事予算の大小に関わらず、自分たちを大切にしてくれる人にこそ、自分たちの技術や知恵を惜しみなく使いたいと思っています。
大切にした分だけ、きっとその先も安心してお付き合いできる、頼れる存在になるでしょう。
そして、そういう本当に優れた会社が頑張っている地域には悪徳業者も入って来にくいのも事実です。